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「アニメ」という語の成立
当初の日本では「アニメーション」「アニメ」という語はあまり用いられず、「漫画映画」または単に「動画」と呼ばれていた。 アニメーションという語は映像業界の専門用語で、その略である「アニメ」という語も一般には普及しなかった。 テレビでアニメーション番組が放送されるようになると、「テレビまんが」などという語が使われた。最初のテレビアニメ番組とされる「鉄腕アトム」では、本放送当時「テレビマンガ」という表記を使っていた。このためか中高年を中心に現在でも「アニメ」を「まんが」と呼ぶ者もいる。 「アニメ」という用語の最初期の使用例は、雑誌『小型映画』1965年7月号で現れる。ただしこの雑誌も映像制作者向けの専門雑誌であった。『小型映画』は、1965年6月号までは主に「アニメーション」という語を使用しており、この頃から映像業界内で「アニメ」という語が一般的になりはじめたとみられる。 一般向けに「アニメ」という語をタイトルに用いた最初期の例は、1968年、偕成社の絵本のシリーズ名に「名作アニメート絵話」という語が現れる。ただしこれは、animationの動詞形のanimateを日本語読みにしたもので、「アニメーション」を略したものではない。 1969年公開のアニメーション映画『千夜一夜』は、「アニメラマ」という語を用いた。これは、アニメーションとドラマの合成語である。アニメラマはシリーズとなり、1973年公開の第3作まで続いた。 単に「アニメ」という語を用いた最初の書籍タイトルは、1975年、ポプラ社の絵本シリーズ名「テレビ名作アニメ劇場」とみられる。 同年には日本アニメーションが創設されており、同社制作番組だけとはいえ、毎週、テレビのアニメ番組内で、社名の一部として「アニメーション」という語が表示されるようになった。 1978年に雑誌『アニメージュ』の刊行が始まり、その後数年で誌名に「アニメ」を含むアニメ雑誌が相次いで発刊されると、アニメという語は急速に普及し、1980年頃を境に「テレビまんが」「動画」という語はほとんど使用されなくなった。しかし前述の通りアニメに関心のない中高年の世代の人は、現在でもアニメを「まんが」と呼ぶことがある。 [編集] 日本語外での輸出 animationという語をどう略しても、animeにはならない(eという文字がもともと存在しない)。このため、英語ではanimeは、 animationの略ではなく、日本語由来の外来語だと考えられている。また、animeという綴りでは「エイニム」または「アニーム」という読みとするほうが英語としては自然で、animeとつづって「アニメ」と読むことからも、外来語とみなされることが多い。animationの動詞形の英語 animateを意味するフランス語animer(動く)を活用させるとその過去分詞アニメanimé(動いた、動かれた)という綴り方があり得ること(例えばドビュッシーのピアノ曲「映像」第3曲「ムーヴマンmouvement(動き)」の冒頭のテンポ指示に「トレザニメtrès animé(とても動いて)」と表記されている)、また、英語でもしばしばアニメはaniméと綴られることから、フランス語由来だと考えられたこともあるが、現代ではこの説はあまり信じられていない。英語以外の言語圏には、英語からさらに輸出される形で移入された。フランスではアニメーション動画はデサンナニメ fr:dessin animéと呼ばれるが、特に日本由来のアニメは単にアニメfr:animeと呼ばれる。 1975年末、アメリカ合衆国で家庭用ビデオデッキが発売されると、1976年2月に、各地で放映されていたテレビ番組を録画して見せ合う活動が始まった。1977年にはこの種の活動を行う専門のサークルが活動を開始した。フレッド・パッテン(Fred Patten)によれば、この時点(1977年当時)で既に日本製ロボットアニメを指す語としてanimeという語が用いられていた。ただし、この語は愛好家たちの隠語か専門用語に近く、一般には広まらなかった。 1991年にアメリカ合衆国でThe Society for the Promotion of Japanese Animation (略称SPJA)が発足し、翌1992年から毎年「Anime Expo」という催しを開催するようになると、animeという語は急速に普及した。 |
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